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【tanuki journal】No.22”現地取材”自然体で心地よい暮らし―デンマークの暮らしの美学

2026.01.11

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第二十二弾はデンマーク現地の様子をお届けします。今回お伺いしたのはデンマークの中央に位置するFyn(フュン)島在中のC氏。デンマークデザインの家具から自作の小物までさまざまなテイストのインテリアでコーディネートされた空間に、肩肘張らず自然体で生活する豊かさや心地よく暮らすためのインスピレーションをたくさん得た取材となりました。


照明:Louis Poulsen社製Wilhelm Wohlert & Jørgen Boデザインmodel California

まずはダイニングエリアへ。これまでの現地取材でかなりの確率で見かけるアルネ・ヤコブセンのチェア。やはりデンマークでも定番中の定番です。

1970年代製パイン材のダイニングテーブルにArne JacobsenTチェアとセブンチェア

パイン材のダイニングテーブルにスチール脚のチェアを合わせる異素材の組み合わせもデンマークではよく見かけます。

脚長のバーキャビネット

こちらのバーキャビネットは元々ダメージが酷く、C氏自ら丸い象嵌を入れリメイクしたという。そのセンスと技術に脱帽。

右:中国製の生姜用ポット 中央:Hjorth社製カバの置物
Louis Poulsen社製ウォールランプPHハットと1930年代のチェスト
親友からのプレゼントされたレモンツリー
元々は壁付けのコートラックだった象のフック
ヴィンテージのインテリア雑誌のコレクション

遊び心感じる小物のセレクトが素敵。

リビングエリアには3人掛けソファと2脚の1人掛けをセット。現地の人々に人気のない柄のヴィンテージソファだがC氏は気に入って使っていおり昼寝をするのに最高とのこと。

1970年代のIKEA製Karin Mobringデザインmodel Diana
スウェーデン製1970年代のパイン材のネストテーブルとヴィンテージのラグ
インテリア雑誌Mobiliaのヴィンテージポスター
左:Kähler製のベース
左:Rikke Elgaardのベース
左:Hjorth社製の鳥のベース

何気ないボーリングピンと金魚の貯金箱だが、アート作品に感じてしまうこのコーディネートセンス。

右奥:Hans Agne Jakobssonのキャンドルホルダ
中央:Ivan Weissデザインのベース 右: Michael Andersen製Knud Basse
1700年代のキャンドルホルダ

キッチンエリアへ。生活感は感じながらも雑然とせず美しくすっきりとした印象。

飾るために置かれたものではないはずなのに、飾ってあるかのように美しく置かれた野菜たち。デンマーク人の何気ないディスプレイのセンスの高さにいつも感心します。

Bodum社のポストモダンデザインのケトルと額装したAxel Saltoのグラフィック
C氏自作のリノリウム版画
C氏自作のたまねぎケース
ボーエ・モーエンセンのスツールJ27にスウェーデン製の古いベンチとテーブル
Robert Jakobsenのポスター
Flensted Mobiles

今回訪れたC氏の住まいから感じたのは、「肩の力が抜けているのに洗練されている」という暮らしの美学でした。まるで暮らしの一瞬が、そのまま作品になるような、自然体でありながら完成度の高い空間。飾るために置かれたものではなく、日常の中で使われるものなのに、家具や野菜までもがディスプレイのように美しく見えるのは、C氏の感覚とセンスが無意識に働いているからでしょう。

このセンスはどこからくるのか――やはりデンマーク人の暮らしに根付いた美意識に感服します。異素材の組み合わせや遊び心ある小物の配置、野菜までもが「ただ置いてあるだけ」で絵になる。このこなれ感や力みのない美しさこそ、心地よい暮らしをつくるヒントだと感じました。最初から完璧を目指すのではなく、好きなものを自然に取り入れ、日々の暮らしの中で積み重ねていくことから生まれる心地よさ。それがC氏の空間から学べるのではないでしょうか。C氏ありがとうございました。

 

北欧家具tanuki 北島